ヨガのおはなし
今のあなたにとって大切なものはなんですか?
と聞かれたらあなたは何を思い浮かべるでしょう?
はっきりと形になった対象が思い浮かぶ方もいるでしょう。または、気持ちや感情など心の奥底にある想いがそれだと感じる方もいるでしょう。
それはあなたにとって本当に大切なものですか?
そしてあなたにとって大切なものを本当に大切にしていますか?
漠然と広い世界を見渡して、あらためて自分に問いかけて、本当にそれでいいのかって考えると正直迷ってしまいます。
でも例えば
◯◯の時に私にとって本当に大切なものが何か?
そんな風に考えてみると、案外大切なものがはっきりとしてきます。
私がヨガを行うときに大切にしているもの。
呼吸とアーサナのつながりを大切にする。
心と体の一体を大切にする。
どんな時でもあなたにとって本当に大切なものが存在しています。
本当に大切なものとは
それを考えて、自分なりの答えを出して、それを大切にする。その思いと行動そのものが大切だと思います。
自分の中に大切なものを見つけた時、きっと幸せを感じるはずです。
私の心は呼吸が決める
今朝の目覚め。朝一番の呼吸はどんな呼吸でしたか?
「ああ、今日も朝がきてしまった。仕事行きたくないな。」そんな、ちょっと後ろ向きな浅めの呼吸でしたか?
それとも「よし今日も新しい朝がきた。いい1日にするぞ!!」そんな、伸びやかで前向きな深い呼吸でしたか?
心の状態によって呼吸は変化します。
心臓を動かしたり食物を消化して栄養を吸収したり、生命維持のために私たちの意思の外で働いてくれる自律神経。
この自律神経の中で唯一自分の意思でコントロールできるもの。
それが呼吸です。
ヨガで呼吸を意識化する理由のひとつはそこにあります。
吸う息は交感神経優位(興奮)を、吐く息は副交感神経優位(リラックス)の状態を作ります。
いまひとつ気持ちが乗らない時や「さあ、これからやるぞ」っていう時は、大きく胸いっぱいに息を吸って。
忙しく仕事に追われている時や気持ちが高ぶって落ち着かない時は、ゆっくりと長く息を吐いて。
普段無意識に吸う・吐くを繰り返している呼吸を意識的に行ってみましょう。
「心の状態によって呼吸は変化します」と最初にお話しましたが、その逆もしかりです。
呼吸によって心を調整することもできるんです。
私の呼吸が私の心を決めます。
呼吸=息
息は自らの心と書きます。
呼吸は私の心なんです。
心と体の向きが違うとどうなる?
あなたが一緒にいて安心できる人はどんな人ですか?
ちょっと頭に思い浮かべてみてください。
あなたの意見に共感してくれる人とあなたの意見を否定する人、一緒にいて安心できるのはどちらでしょう。
利害や心情的な対立があったり、共感が得られなかったりすると、人間関係はそれだけでストレスになります。
そうは言っても、他人は自分とは別の人格を持つまったく別の人間ですから、考え方や価値観が違っていたとしても仕方ありません。
あまり反応せず、違いを事実として受け止めることが賢明でしょう。
でも自分自身の中でそれと同じことが起こったとしたら、どうでしょう?
例えば、 心で思っている事と違うことを言葉にしてしまう。
これは、私の発する言葉が、私の思いに共感していないという事です。
疲れていて体は休みたいのに、無理をして頑張る。
これは、私の体が発するメッセージを、私の心は受け入れていないという事です。
ヨガでは病気は、(先天的な疾病や感染症を除いては)自分自身が作り出すものだと考えられています。
体- 肉体と呼吸
心 -感情や意識、思い込みや価値観
それぞれは影響し合い、絶妙なバランスをとって生命の営みを支えています。
そのバランスが崩れると、自律神経が体の機能を調整できなくなり病気を作り出すのです。
この考え方をもとにインドでは古くから現代も、ヨガは『ヨーガ療法』という形で医療に取り入れられています。
ヨーガ療法はアメリカなど先進国の多く、もちろん日本にも広まっています。
心と体が共感できていない関係。
共感のない関係性の中には、ストレスが生じます。
『心と体の向きが違うとストレスです』
心と体の向きが違うという事は、無意識のうちに自分の中でストレスを生み出しているという事です。
ヨガの語源yuj(ユジュ)=くびきは、「結びつける」「つなぐ」ものです。
『心と体をつなぐ』
呼吸もポーズも思想もヨガの学びと練習のすべてがこのために存在すると言ってもいいくらいです。
今の自分に共感して、心と体の信頼関係を深めましょう。
それが健康で幸せに生きるために誰もがすぐにできる、簡単でとても大切な事です。
5YOGA http://5yoga.tokyo/ヨガインストラクター養成コース